電柱

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(なんだよ、珍しいな。お前が話してくるなんて) (どうかしたの?) (何かあったのかー?) 次々と返事が返ってくる。 (一大事だ!俺のお気に入りの姉ちゃんの犬が逃げちまったみたいなんだ!) (何!?お前好きな奴いたのかよ!言えよ!) (今それ所じゃないでしょ、T字路501番!私、その人たぶん知ってるわ!いつもマルチーズつれてるお姉さんでしょ?) (俺はそんな女、知らねぇなぁ) 様々な情報が電線伝いにやってくる。しかし『これ』といった情報はない。 (僕、赤い首輪つけたマルチーズなら見たけどー) と、急に重大な情報がやってきた! (なんだって!?お前その話詳しく聞かせてくれ!) 俺は急展開に興奮を抑えきれなかった。 (うん、いいよー。なんか朝にね、赤い首輪つけたマルチーズが、隣町の方に走って行ったんだよねぇ。どう見ても飼い犬だから『逃げてきたのかな』って記憶に残ってたんだー) (よしでかした!隣町だな!) (僕、隣町の知り合い多いから聞いてあげようかー?) (おう、よろしく頼む!) .
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