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「───それじゃあ俺、明日早いから」
背中を向け、ワイシャツに腕を通しながら彼は優しくそう言った。
布が擦れる音を聞きながら、私はベッドの中で小さく「うん」と呟いた。
「次会えるのはいつになりそう?」
「んー今店の売れ行きが良いからなー…。二週間後になりそう」
「わかった。また連絡して?」
「りょーかい」
どんな言葉でも、彼は優しく返してくれる。
別れた後、私が寂しくならないように、という配慮なのだろう。
だけどあなたは気付かない。
その優しさこそが、私を寂しくさせるのだという事を。
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