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あれは、吐く息全てが真っ白い、冬の季節。
襟首に巻いたマフラーの温かさを感じながら、ネオンではない色とりどりの電飾に彩られた夜の街を歩いていた。
家に帰る前に一息付きたい。寒いのが苦手な私は、とにかく暖かさを求めていた。
そこで、いつもの帰り道には見慣れないお店を見つけたのだ。
そのお店の名前は「プラリネ」。
窓から漏れる薄橙色の明かりは、見ただけで心を暖かくさせた。
元来、新規開拓という名のお店周りが趣味な私にとって、こういった新店舗というのは興味の対象であり、数少ない楽しみの一つでもある。
仄かに香る、甘いチョコレートの香り。心だけでなく、体も満たされそうな予感がした。
折角だ、今日はここでお茶して帰ろう。そう決めた私は、来訪者を告げる扉のベルをちりりんと鳴らした。
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