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西日が窓から差し込んで私は目を覚ました。
泣き疲れていつの間にか寝てたんだ。そう考えた所でふと異変に気がつく。
なんで、誰も起こし来てくれなかったんだろう。
もしかして、私のことがみんなから忘れられたの。
嫌。そんなの、そんなのって
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
喉が潰れそうなくらいに叫んだ。
その叫びは、みんなから忘れられたのかもしれないという恐怖からだけではなかった。
私はここにいる
そのことを私自身に、そして、周りに伝えるために叫んだ。
ガラガラガラ
勢い良く開けられた扉の音で私は自分を取り戻せた。
そこには、美里と、天深がいた。
良かった。まだ私はみんなの中にいるんだ。
そう思うと自然と涙が頬を伝っていくのが分かった。
「良かった。忘れられてなくて」
それだけしか言えなかった。
「ごめんね、知華。ごめんね」
「わるかった」
二人が急に謝った。
「え、どうしたの。なんで謝るの」
けれど、二人は謝るばかりだった。
結局、なんで謝ったのかは分からずじまいだったな。それにしても、やけに眠いな。別に寝不足ってことはないんだけど……。それに、お風呂にもまだ入ってないんだけど。
あ、ダメだ。また眠るところだった。せめて、出てから。
けれど、眠気に抗おうとすればするほど強くなっていく。
どうにかこうにか部屋まで行くとベッドの上に崩れるように倒れ込んだ。そして、深い眠りに落ちてった。
どれくらいたってからだろう。あの痛みで目が覚める。けれど、その痛みはなにかが違っていた。
何かが蠢いているような気がした。
だが、またすぐに強烈な睡魔が私に襲いかかってきた。
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