0人が本棚に入れています
本棚に追加
ごめん、ごめん、と
謝罪の言葉を口にしたけど
心が込もってないと、少しいじけた君
あぁ、そんな君の態度も可愛いと思ってしまう
ぷぅ、と頬を膨らまして
少しひそめられた眉間のシワ
胸の前で組まれた両腕
君の全てを愛しいと感じてしまう
いつの間にか日は沈み
公園は君と二人だけになっていた
夕焼けに紅く染まる、君の柔らかい髪を
思わず撫でたくなった
もう一度ごめん、と口にすると
君はため息をついて
鮮やかな笑顔を浮かべた
それはどんな美しい情景も霞んでしまう、
極上の微笑みだった
しょうがないなぁ、と
あぁ、また君に惹かれてしまう
どうしようもないぐらい
君を愛しいと思う
太陽が木々の間から沈んでいくのが見えた
辺りは闇に傾いた
家に帰ろうと、君にさしのばした左手
そこに感じだ、君の右手の温もりは
沈んでいった太陽よりも
温かくて
優しかった
.
最初のコメントを投稿しよう!