ﾃﾉﾋﾗ

ｱﾀﾏ ﾉ ｳｴ

やっと三ヶ月間かけてまとめたプレゼンが成功した。

入社四年目にして初めて任された大仕事。

このプレゼンは絶対に成功させる、

そう心に誓った。

四年前

特に大きくもなく、小さくもないこの会社に、

入社した私は、大学を卒業したてのぺーぺーで、

社会に出て働くことの厳しさも辛さも、全く知らなくて、

文字通り、右も左も分からない状態だった。

そんなとき、いつも後ろから見守ってくれていたのが、

先輩だった。

仕事でミスをすると、厳しい言葉で注意されるけど、

残業があるとき、先輩は黙って私の机に缶コーヒーを置いていった。

仕事をミスなくやっても誉めてくれる先輩ではなく、

いつも不機嫌な顔をして、冷酷だと思われている人。

だけど、私は知っている。

私のミスを代わりに受け負っていること、

質問すれば素っ気ないけれど、懇切丁寧に教えてくれること。

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