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FIRSTstage
いわゆる、地縛霊って奴ね。
まあ、とりあえず聞いてよ。
あれは・・・
5月のゴールデンウイークが
くる前の日だった。
嵐がきたのだ。
「てんこーせーくるんだってさ」「ふうん。このクラス?」
「そーよ~。楽しみね~」
「へえ」
この頭の悪そうな喋り方をしてるのは美優。腐れ縁というか幼なじみの気の強い女の子だ。美優は楽しみらしいが、僕はというと興味なし。ってか、変な時期に来るんだな、としか思わなかった呑気な自分を恨みたい。
「鳴瀬さらです。よろしくお願いします」
転校生の第一印象は綺麗。ちゃんと敬語も使えるし、正直うらやましい。僕、平凡顔だしね。
「鳴瀬の席は~、あ~と、有瀬川の隣な」
「はい」
有瀬川?僕と同じ名前の人いるんだな。とか思ってたら転校生はこっちに歩いてきた。ん?隣?
「よろしくお願いしますね、有瀬川君」
・・・最悪。こんな綺麗な人と隣だと絶対批判くらうよ。よろしくしたくないけど、返事しないと皆の視線が恐すぎる。
「よろしく、鳴瀬さん」
ここから僕の歯車は狂っていったんだ。
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