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智の好きな餃子を包みながら待っていると、玄関から物音がして、智が帰って来た。
莉乃は、作業の手を止め、玄関へと向かった。
「おかえりなさい。」
「ん、ただいま…。」
やはり元気がない様子で靴を揃えて、家へ上がる。
「お疲れ様…。」
心配そうな莉乃に気付いて、優しい微笑みを浮かべ莉乃に向き直る。
「あ~疲れた。
けど、莉乃の顔見たら、吹き飛んだ♪」
そう言って、肩を抱き寄せ、莉乃の額にキスを落とした。
「お腹も空いたから、すぐご飯にしてくれる?」
「うん。すぐ用意するね。
ちょっと待ってて。」
莉乃は、そう言うとパタパタとスリッパの音を立てて、台所へ向かった。
その音が聞こえなくなると、智は、「はぁ…」と溜息をついた。
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