3:異変

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   莉乃は、初めて智に怒鳴られた驚きのあまり、放心状態でその場に立ち尽くしてしまった。  そこへ、凄い声を聞きつけた珠希が、莉乃の元へとやって来た。 「莉乃…広瀬先生どうしたの?何があったの?」  すると、莉乃の目から涙が次々と零れて来て、嗚咽も漏れて来た。  そんな莉乃を珠希は、優しく玄関へと促し、マンションをあとにした。  次第に、莉乃の涙は、落ち着いて来たが、気持ちは、かなり沈み込み、珠希も安易に励ますことが出来ないほどだった。    一方、智は、莉乃を怒鳴りつけてしまった事への自己嫌悪に苛まれていた。  …思い通りにいかない自分への八つ当たりで、何も悪くない莉乃を、傷付けてしまった。  こんな俺、駄目だ…  俺みたいな奴と一緒にいたら、もっと莉乃を傷付けてしまうんじゃないか?…  ごめんよ莉乃…  俺は、どうしたらいい?  ………  ……  俺は、ダメだ…  ダメだ…  ダメな人間なんだ…  … … …      
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