1:プロローグ

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  「智…  学校で、何かあった?」  心配そうな、捨てられた仔犬みたいな瞳で莉乃は、智を見つめた。 「ん?…いや。  何でもないよ♪  そんな心配そうな目で見なくても大丈夫だよ。  ちょっと、疲れてるのかな?ゴメンな心配かけて。」  極力、明るくそう言った。 「そう?  疲れてるだけなら、ゆっくりお風呂にでも入って休んでね。」 「ああ。サンキュ!  なんなら、莉乃も一緒に入ってくれてもいいんだよ♪」 「もう、そんな入る訳ないでしょ!」  そんな冗談も言って来るから、そんなに深刻な感じじゃないのかなと、少しホッとした。  
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