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三人が次々と夢路高校の敷地へと入って行く姿を見て、隼人は少し走るスピードをあげて校門を通った。
『待ってたよ、隼人』
「!?」
突然耳元で聞こえた少女の声、それは一瞬だったと思うがはっきりと聞こえた。
隼人は立ち止まり後ろを振り向いたが誰もいない。
周りを見渡し確かめたが、近くにはそれらしき人はいなかった。
「どうしたの?隼人君」
周囲をあちこち見ていた俺を心配したのか冬奈が近寄ってきた。
「いや、何でもないよ」
冬奈の言葉と渉が秋奈に捕まっている姿を見て、落ち着いた隼人だった。
「そっか、じゃあ行こうか」
「おう!」
さっきの声が気になったが、今気にしてもしょうがない隼人は吹っ切れたようにそう思った。
校門からは一直線に道があり両側には木が植えられていた。
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