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『スネアドラムスより全機!ブレイク!ブレイク!長距離ミサイル接近!『姫』の後方より1000m!狙っているのは……『姫』の馬車だ!援護急げ!』
『クソッ、パパラッチに付きまとわれるとはずいぶん人気なお姫様じゃねえか!』
レーダーでは解りにくいが4本ものミサイルが『姫』を追い回している。
時間差で4本も撃ち込むとは念の入った攻撃だ。
そのミサイルと踊る『姫』はレーダー画面の上でひらりひらりと踊る。
呼んではあしらい、寄っては離れ、惑わされたミサイルは『姫』を見失って舞台から墜ちる。
『見つけた!『姫』の後方より追撃を確認!8機も追っ手が来るとは……』
『スネアドラムス、敵にとっても彼女は重要なのだ。みすみす逃がすくらいなら抹殺しようというのもわからんでもない』
僕はフットペダルを限界まで踏みつけ、『姫』へと向かう。
「ミドリよりムラサキ、冗談はともかく追撃の敵機を早く落としましょう。いくら『姫』でも1:8では」
『ミドリ、あんまり飛ばすな。『姫』の確保さえ出来れば無理に戦う必要は』
ミサイルアラートが無線の声を掻き消す。
僕等も攻撃対象、ということか。
操縦桿を倒して、ロールしつつダイブ。
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