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沙耶はぼんやりとした様子で、夜空に浮かぶ2つの月を見上げた。
「この世界も、蒼の語る話しも、私にとっては全てが不思議」
「今に慣れる。それに、お前には俺がいる」
沙耶は、真っ直ぐ見つめる蒼から逸らすように目を伏せる。
「どうした、まだ不安か?」
「ううん、違うの。そうじゃなくて…。蒼は…番だからって、私と結婚してそれでよかったの?」
「お前は嫌なのか?」
「違う、そうじゃない。蒼は…私でいいの?」
髪に触れていた蒼の手が頬に移る。大きな手が頬を撫で、沙耶の顎を持ち上げた。
「いいに決まっている。何故、番は見ただけでお互いが分かると思う?お前は、俺と会った時どう感じた?」
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