月の夜

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蒼はそれに答えるように何度も口付けた。 「沙耶、1つになろう」 蒼は唇を離し優しく囁く。沙耶はその言葉に驚き、青い瞳を覗き込んだ。 「…1つ?蒼と?…そんな事…出来るの?」 「出来る。その為に、俺達は番で産まれたんだ」 真っ直ぐに見つめる魅惑的な青い瞳。完全に捕らえられ、沙耶は小さく頷いた。 「うん、なる。なりたい。…蒼と1つに…」 沙耶の返事に青い瞳が嬉しそうに揺れる。沙耶は微笑み、自分から蒼に口付けた。 触れ合う互いの肌が熱く火照る。蒼の温もりと重みを感じ、抱き合いながら愛しさで胸がいっぱいになった。
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