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『さぁ、皆さん行きましょう』
「「はっ!!」」
「おーい。大将俺だから、何で光秀の指示に従ってんの?」
「兄上、今に始まったことではない」
「俺、大将なのに…」
「……ヘタレ」
「え!?ちょ、信行!?」
「さ、兄上今川を討ち取るのだろう?」
(信行が!!き、聞き間違えだよね!?)
「…早くしないと桜華が今川を討ち取って(また馬鹿にされて)しまう…」
「何かお前にも馬鹿にされてるような…」
「してない……………………………多分」
「多分!?お前もか!ちくしょう!こうなったらヤケだ!!」
信行にそう言うと馬の腹を蹴ろうとした時
桜華の声と歓声が聞こえた
『敵将、討ち取りました!(信長ざまー)』
「おぉ!流石です光秀殿!!」
「勇猛な戦いぶり、見事で御座いました!」
『ふふ、褒めすぎです。さぁ、皆さん続いて信長ですよ』
「ちょっと待て!!何で俺を討ち取ろうとしてるの!?」
信長は慌てて桜華に近寄り信行も後を追った
桜華が信長に気付くとニコニコしながら右手に持っていた袋を差し出した
『殿、お土産です』
「おぉ、悪いな…って今川の首だろ!!俺が討つって言ったよね!?」
『遅いから先に狩り…討ちました』
「狩り!?」
『早く帰りましょう。風邪引きますよ、信行さん』
「そうだな」
「え?俺は?」
「兄上、ば…魔王は風邪なんて引かない」
『そうですよ。ばk…あなたは魔王なんですから』
「せめて人にしてください…ぐず」
雨なのか涙なのかわからない雫が地面にポツリと落ちた
『多分雨ですよ』
「…ぐすん」
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