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大きな紙袋を受け取った。
「ありがとうございます」
「それと…店としては何かあっても履歴書の年齢しか知らなかったってことで…良いかな?」
「もちろんです。
嘘をついてすみません!!」
「両親は大丈夫?」
私を探しても居ないだろう。
「大丈夫です」
「そうか…。
じゃあ、後で店で」
「はい」
オーナーの車を見送った。
未成年だってわかっていてもクビにはしないんだ…。
これがこの世界では普通なのかな…。
うちの店しか知らないからわからない。
「どうした?
ボーッとして」
「響…ううん。
何でもない」
「それがドレス?
来て見せてよ」
響と部屋に戻った。
すぐに響は床とお風呂を掃除してくれる。
私は慌てて血をつけてしまったソファーや壁を拭いた。
小雪さんが戻った時に思い出さないように。
「小雪さん、どのくらいで戻るかな?」
「1週間くらいじゃないか…精神状態にもよると思うけど」
「1週間かぁ…」
「長いか?」
「店に出てみないとわからない…。
でも何があっても逃げ出さない」
私はドアを拭く。
「遥が言ったみたいに強さと弱さは紙一重だな…。
弱い遥が時々逞しく見える」
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