嘘喰い探偵社

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「……って、テメエやりやがったな!」 正人の手が当たり、よろけて座り込んだ男は立ち上がってまた殴りかかってこようとした 「……!?」 「…なんだよこれ?」 「うわっ!来るな!何だよ!!ヤメロよ!!」 男は1人でうろたえ、叫びながら走り去って行った…… 女は呆然としている 正人はガタガタと体を震わせていた メガネが外れた正人の目にはハッキリと映っていたのだ…… 立ち上がった男の後ろから複数の仮面が現れ、男を囲むようにグルグルと回りながら数えきれないほどの手が男を掴もうとしていた その手を振り払おうとする男 男の手は仮面の手をすり抜けてしまい触ることができない 手は男の体のいたるところ掴もうとし、仮面達は大きく口を開けて待ち構えている 男は仮面の気味悪さ、触れない恐怖などでパニックになり走り去って行ったのだ 男が走り去った後、我に返った正人も逃げるようにその場を走り去った よほどパニックだったのか、気がつくと帰宅せずに学校の屋上にいた 「何だったんだ?あれは?」 まるで意味がわからない光景を見てしまったショックからまだ立ち直れない 30分ほどたった頃 正人は落ち着きを取り戻してきていた 「僕の手が当たる時にアイツは仮面をつけていた……」 「手が当たり、仮面にひびが入った……」 「………」 「……仮面を壊す」 いや、壊れはしなかった。 ひびが入った程度だ ひびが入った程度であれなのか!? 「あれが仮面を壊すという行為の結果……」 「嘘に喰われることだ。」 その言葉は不意に正人の後ろから聞こえてきた
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