仮面

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「はぁ……」 学校の屋上で1人で深く重いため息をついているこの少年は 田中正人(タナカマサト)15歳、高校1年生だ。 「なんでこんなことになったんだろ……」 一年前の夢、 そこから全てが始まった…… ――真っ暗な空間 重力を感じさせない空間に僕は1人浮いている 辺りを見回すも何もない 「やあ。」 僕の前に大きな仮面が現れた トランプのジョーカー? ファントム? 白くシンプルなその仮面の表情は笑っている 「つまらない人生を楽しくしてやろうか?」 仮面の突然の質問に僕は目を丸くしている まあ、楽しい人生なら言うことはないが…… うさんくさい仮面に言われても説得力というか信用はできないが、 夢なんだし…… 「僕のこのつまらない人生を楽しくできるならしてみてよ。」 僕は仮面に答えた。 仮面はニヤリと笑い 「今からお前は嘘が見える、嘘をついているものは私のような仮面をつけて見えるようにしてやった」 僕はとりあえず聞いている、仮面は説明口調で続ける 「例えば、友人達の関係でも本心では 無視したいが『おはよう』と挨拶している人には仮面が見えて何も思わず普通に挨拶する人には仮面はない。」 「嘘泣きは泣いている表情の仮面が見えるからわかりやすいだろう」 他にも説明が続いたがいきなり覚えれるわけもなく…… 僕は仮面に聞いた 「それで人生は楽しいの?」 僕の言葉に仮面はうっすらと笑みを浮かべて 「それは自分で決めればいい、私は君に力を与えて楽しませてもらうことにする。」
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