零章 『出会い』

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他の夢者達は、それに対して動揺を見てている 『やっとか…よし、終わりにする』 白い髪の青年はそう言い、肩から大太刀を下ろす。すると足元に奇怪な文字が並んだ大きな白い魔法陣が浮かび上がった それと同時に、二人の遥か遠くでも同じ魔法陣が、草原に円を描くように複数浮かび上がる 先程、宙がしていた作業は、遠くで浮かび上がった魔法陣の遠隔設置だ 「後は任せるよ、祐亜」 宙はそう言うと、地面に寝そべった 祐亜はそんな宙を見て、少しだけ笑い蒼く澄んだ空を見上げた そして、魔法を発動するため、永唱を始めた 『蒼く澄む空 暗く染まれば 現れるは極光の輝き 悪しき者 その輝きに照らされることを許さず 光の柱 空を貫き その輝きを今ここへ』 祐亜は白い大太刀を地面に刺した。すると遠くで浮かび上がっている魔法陣が、空を貫く光の柱へと変わった。その後、空は暗くなる。 『極光魔法… 《オーロライズブレスト!》』 そう叫ぶと、暗くなった空にとても綺麗なオーロラが出現し、その輝きに照らされた夢者は次々にチリとなり姿を消してゆく。 十秒くらいたった頃には、草原(アントゥラスト)には人の姿しかなかった。 『終わったな』 白い大太刀を地面から抜き、軽く一振りすると、スーッと消えていった。魔法で生成した武具は、別次元に収納しておけるのだ 「終わったか」 寝ていた宙は、ゆっくり起き上がりあくびをした。祐亜そんな宙の腹部に一発パンチをお見舞いした 「おふっ!?」 あまりの痛さに情けない声を出した宙は、地面に膝をついた 『目が覚めたか?さっさと行くぞ』 「お、おう…」 二人が、転移魔法で移動しようとした時、祐亜だけ頭の中に (助けて…) と言う声が響いた 『宙…さきに行っててくれ』
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