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「お前があの“炎罪の女王”かよ……ッチ、お前ら!今日は引くぞッ」
謙二は火傷を負った腕を左手で掴みながら仲間と共に暗い闇に消えていった。
「た、助かったよ……由里」
「まったく、あんたは馬鹿なの?私をすぐに呼べば、痛い目見ずに済んだってのに」
「お前を巻き込ませたくなかったんだよ……」
「……!ふん、かっこつけても、その様じゃダサいつーの」
「ははっ……」
ボロボロ状態の少年は、由里に手を貸してもらいなんとか立ち上がることが出来た。
「今日はもう病院もやってないし、あんた隣の駅までいかなきゃ駄目なんでしょ?」
「歩いて帰るから大丈夫さ……いつッ」
「どこも大丈夫じゃないわよ馬鹿……今日はあたしの家に泊まりなよ」
「は?……んなことできるわけ……ッゴフ」
由里は、少年の溝を軽く叩き、反論をさせなかった。
「いいから、来なさい」
「は……はい」
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