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第一章“力の覚醒”
「おーい起きろ!」
頭に何か硬いものが当たり目を覚ました少年“竜崎昨夜”(りゅうざき さくや)は頭を抑えながら、布団から起き上がった。
いつもいる自分の部屋とは違う部屋、違う香り、違う光景。
横を振り向くと、フライパンを片手に持った“河村由里”(かわむら ゆり)がエプロンをしてショートヘアの上からナプキンで三角帽子を作って被っていた。
「もう、さっさと起きなさいよ。朝早くからご飯作ったのよ、アンタの為にね」
「お、おぅ……ありがとう」
(おいおい、明日は嵐がくるんじゃないか?いつも、飯作るのめんどくさい…とか言ってる女が“ご飯作ったのよ”だと!?ワロタ)
布団から脚をだし、立とうとした瞬間昨夜は右膝を曲げ壁によろけた。
「……ッ!?なんだこの怪我……」
(そうか、昨日俺……襲われたんだ……クソ)
「ちょっと、大丈夫?無理しないでよ」
由里は自分の肩に昨夜の手をのせ、ゆっくり二階の部屋から階段を下りた。
「さっさと、食べよう。朝ご飯冷めるぞ」
考えるのを止めた。せっかく由里が作ってくれた飯がまずくなるからな……
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