晴天の霹靂

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一瞬の間だけ、音が消える、真っ白な光が走った後、衝撃波が辺りを包む。 やがて訪れた静寂の中に傷だらけになり倒れている少女 その傍らに疲弊しきり肩で息をしているフレイ 「た…隊長…」 瓦礫の中から汚れきったトレビルが起きてフレイによろよろと近寄る。 「トレビル…私の懐に、囚人用魔力抑制の手錠が有る…それを…この娘に付け、厳重に牢へ入れておけ…」 それだけ言うとバタリと倒れる。 「隊長!?しっかりして下さい!!」 トレビルがフレイを抱き起こし、懐にあるという手錠を出そうとするが、一瞬躊躇う。 「…隊長、…失礼しますっ!!」 耳まで赤くなりながら、フレイの懐から手錠を取り出すと、少女の両腕に嵌める。 「…敵の攻撃も止んでいる、一先ず戦いは終わったのか…」 ホッと息を吐き安堵の表情を浮かべるが、直ぐにその顔を引き締め、自分に与えられた任務を全うすべく動き始める。 空にはいつの間にか、赤い夕日が沈もうとしていた。
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