プロローグ

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普通なら困惑して騒ぐのが自然だが、空斗は不思議と周りの雰囲気に飲まれていたのだ。 そしてその質問に対して男は返答する。 「確かに言い方が悪かったな、言い直そう、君達は特別な力を手に入れたのだよ。世間一般で言う【超能力者】と呼ばれる存在にな」 「………超能力者?」 男の言葉に空斗は思わずそう呟く。 そしてまた別の者が男に質問をする。 「はっ!?馬鹿かあんた!?、超能力だと!?そんなもんを信じろっていいたいのか!?」 彼は荒々しい口調でそう言った。 「ははは!確かに無理な話しだが、今の君達の状況で納得はしてくれないかい?」 「どういう事だ?」 彼は男の言葉に理解が出来ないといったようにさらに言葉を返す。 「君達は全員、自宅からこの場所まで強制移動されてきた。これが普通ではあり得ることかい?」 「………」 その言葉に何も言い返す事ができずに再び沈黙が流れる。 そして男は言葉を続ける。 「恐らく種を飲み込む前にタッチパネルに触れた者もいるだろう、しかしどうだった?何も起きなかっただろう?」 男に言葉を返す者はいない、それは男が言った事が当たっていることを意味している。
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