プロローグ

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「戦いをするからには必ず勝敗を決めなければならない、それを決めるのがその結晶だ。自分の結晶は自分でのみ取り外しが可能だ。」 男がそう言うと、皆は自然と結晶に手を伸ばしそれを確認する。 「相手の結晶を取り外し自分の結晶に触れさせると、取り外されている方の結晶の持ち主は力を失う」 「それがその戦いの勝敗の決め手というわけか」 「そのとうり、しかしもしこの事を公(オオヤケ)にしようとする者が居たら、こちらから抹殺という処置を取らせてもらう」 ―――抹殺 男の言葉に場に緊迫した雰囲気が流れる。 そんな中で再び男に対しての質問の声があがる。 「そんな事をして俺達に何の得がある?」 「そ、そうだ!そんな危ない力なんかで戦ったとした、死人だってでるんじゃないか!?」 今までの静寂を破るように多くの者が抗議の声をあげる。 しかし、 その声は男の一言で再び静寂を取り戻すことになる。 「あるさ、この戦いを最後まで勝ち残れた者には、どんな願いでも叶えてやろう、ただし人に害を与える事以外のな」 願いが叶う。 その一言がここに居る全員の心を掻き立てる。
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