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始業式が終わり、ざわついている教室で空斗は1人机に俯せになっている。
「そーらとっ!、何朝からだるそうにしてるんだよ」
「うるさい、光よく聞けリア充は喋る権利を与えられていないんだよ」
「何故!?」
短い髪をワックスで逆立たせている空斗とは逆に、耳に軽くかかる金髪の、光と呼ばれた少年【春原光-スノハラコウ-】
光がリア充と呼ばれる理由は言うまでもなく、彼女がいるからである。
「まあまあ俺に彼女が居るからって、そう僻むなよ。」
光はそう言い、空斗の肩に手を置く。
「うっせぇ、唯みたいな上玉手に入れやがって。」
「いやー、悪いな唯は俺の嫁!!、なんちゃってぐふぉ!!」
へらへらとのろけ話を始めた光にキレのある肘鉄を腹部にあびせる空斗。
「お前ののろけ話は聞きあきてる」
「空斗…今のは効いたぜえぇ」
床に体育座りをするようにして腹を押さえながら光はそんなことを呟く。
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