プロローグ

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宅配便の男性は判子とサインを確認すると「失礼します」と言い残し、去っていった。 (俺宛の荷物か、一体誰からだ?) 空斗はすぐさま送り先を確認する、するとそこには ―――麒麟-キリン- そう記されていた。 「麒麟?、なんかの懸賞でも当たったのか?」 空斗は首を傾げながらも中身を確認していく。 「………種?」 空斗が最初に漏らした言葉はそれだった。 確かに段ボールの中には茶色の、約1cmもない小さな種と、その下に手のひらサイズのタッチパネル式の機材、 その下にさらに紙が入ってるのみだった。 空斗はまず一番下にある紙に手を伸ばす。 「…………同封されている種を飲み込み、その後タッチパネルに触ってください?」 空斗が手にした紙には、それしか書かれていなかった。 (こんな怪しい種を飲み込め?、なんか危ない薬じゃないのか?) 空斗は麻薬か何かではないかと疑ってはいるものの、その種に興味を示す。 それは好奇心と呼ばれる、人なら誰もが持つもの。 空斗は暫く悩んだが好奇心には勝てず、恐る恐るその種を掴む。
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