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化山が意図的に『三森リキ』を隠した事を考えると可能性はほぼ、確実と言い切れるほどだった。
しかも俺は三森家に侵入して、死体、共に殺害動機の証明になりえるものを発見した。
それで十分、三森リキが犯人だとわかる。
警察が本格的に調べれば、物的証拠もいくつか見つかるだろう。
それらを化山に伝え終わると、突然、
「彼の動機は?」と化山が質問した。
お前はもうとっくに知っているだろう、と思いながら俺は口にする。
「女性の首を絞め、苦しむ顔を見て性的に興奮するという特殊な性癖を三森リキは持っていた。だから、自分の性欲を満たす為に身近な異性である三森カグヤを犯しながら首を絞め……」
「違う」
化山の冷徹な声が話を遮る。
「それは誤解よ。そんな“普通”な動機じゃないわ」
普通? あの動機を普通と言ったか? この人。
いや、待て、全然普通じゃないだろ!
性欲を満たす為に異性の首を絞めるなんて狂気の沙汰じゃないか!
そう言う前に化山が口を開いた。
「三森リキは、妹が自分の性癖を知ったから殺したのよ」
化山が何を言いたいのか理解できなかった。
「どういう意味だ?」
「いい? あなたはしなかったみたいだけど、私はあの死体をくまなく調べたわ。結果、単にベルトかなにかで首を絞められた、だけ、の死体であることがわかった」
「それはつまり……」
「そう、性的暴行を受けた形跡が一切見当たらなかったのよ。しかも一切着崩れがなかった。無理やり犯されたのなら、着崩れがあってしかるべきだわ。ワザワザ殺した後にスカートやパンツ、上着までキチンと直すかしら? 加害者心理からしたら、すぐに死体を隠そうって思うのが常道よ」
なるほど、確かにその点から考えるとおかしな事になる。
「あなたは三森カグヤの部屋は見た?」
「……いや、リキの方は見たけれど」
彼女は学生鞄から自慢気に一つのフラッシュメモリを取り出した。
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