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「柿を食べるかい?」
ニコニコしながら老婆は、テーブルの隅に置いてある篭の柿を指さした
「あ、頂きます」
喉が乾いてるから、ホントはビールが先に欲しかったんだけど、動きも遅そうな老婆だから、柿でも食べて待っていれば眉間のシワも緩むだろう
柿は二日酔いにも効くらしいから、最近お酒が増えてしまった私にはピッタリだ。女子は美容だけでなく、健康にも詳しくなければいけない
「じゃあ、包丁を取ってくるね」
ニコニコ笑いながら老婆は奥に消える
「美味しそうだねぇ」
老婆はそんな事をぶつぶつ言いながら、ゆっくりと歩いていく。自分とこの柿なのに食べないのかな?もしあれだったら、おばあさんと一緒に柿を食べよう
まだ何もしてないけど、少し良い事をした気分になって、鼻唄混じりに篭の中の柿を吟味しようと覗いたら
柿は全部腐っていた
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