お稲荷さん笑った

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客(餌)が来る前に包丁くらい研いでおいた方が良いんじゃないかとか、だからいつも食べ逃すんだよとか余計な事を考えてたら、逃げるタイミングを逃して鬼婆と目が合ってしまった 「みぎゃあ!」 心の準備は出来てたはずなのに、またしても女子力の低い声を出して、私は一目散に駆け出した ホラー映画で一番最初に死ぬ人を、迂闊だ間抜けだと一生言えない。女子力高い声を出す向こうのが一枚上手だ。トラウマだ 鬼婆は髪を振り乱しながら、口に包丁をくわえて追いかけてくる 何でこんな民話みたいな目に合わなきゃならないんだ。民話だったら… 私はポケットに手を入れて三枚のお札がないか探したけど、誰にも貰ってないんだから、ある訳がない だいたい三枚のお札には、何を書けば良いのかわかんないけどね! さっき悪態をついたにも関わらず、神様に助けを求めようとしたら 咄嗟に浮かんだのはタケシの顔だった タケシはいい年して、女かう○この話しかしない、顔もたいした事ないのに、いつも偉そうにしてる最低の奴で、何が一番最低かと言えば、私の彼氏だって事だ
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