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十色 クロム
ある教室の風景、そこには小学生くらいの子供達が集まって授業を受けていた。
教室の端の席、十色クロムは一人窓の外を眺めてただひたすら授業が終わるのを待っていた。
「退屈だな...」
何気なく呟いた一言が先生の耳に入り先生がそれに怒りクロムに怒鳴った。
「クロムさん、あなた真面目に人の話も聞かないでそんな態度なんかとって!もう少しちゃんと話しを聞いたらどうなの!」
「別に先生の話し聞くために来てるわけじゃないし..」
先生はさらに怒り今にも掴み掛からんばかりな時
「先生、クロムちゃんも悪気があったわけじゃないだろうし許してあげて。」
同じクラスの描工画スララが先生のもとに駆け寄り先生を宥める。
「スララさんはいい子ね。とっても優しくて」
「だってスララとクロムちゃんはお友達だもん」
ニコニコとスララはそう答える。クロムはその様子を見ていて自分の為に必死になるスララに向けて叫んでいた。
「友達ヅラしないでよ!あんたなんかだいっきらい!!」
クロムはそのまま教室を飛び出した。
小学5年生、クロムはその時大切な何かを無くしてしまった。
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