全ての始まり

10/14
前へ
/71ページ
次へ
■※■※■※■ 閃光のように現れた左腕が青く光る「お兄ちゃん」は、「何か」に乗っとられた父さんを一瞬で倒した。 「父さん」は倒れて動かなくなった。 不思議だった。 さっきまで「父さん」は生きていていた。 化け物に攻撃されると何かが抜けたみたいに動かなくなった。 化け物に乗っとられると「そいつ」になって、また動き出した。 でも「お兄ちゃん」が化け物が乗っとった「そいつ」を倒すと、また何かが抜けたように「父さん」は動かなくなった。 俺は人間の命は小さく、はかなく、脆いモノなんだとこの時初めて知った。 「お兄ちゃん」が言っていたように本当に体だけが戻ってきた。 母さんと妹は泣きながら父さんの体に寄り添った。 「お兄ちゃん」の左腕の青い光は消えていた。それに「お兄ちゃん」も悲しそうな表情をしていた。 まだ幼かった俺は「お兄ちゃん」に言った――
/71ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加