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俺が倒した自然人……いや、もう、人間に戻ったから少年の父親だ。
その「少年」の父親には、少年の母親と……恐らく妹だろう……、が泣きながら寄り添っていた。
俺も悲しかった。
自然人を倒すことは出来ても自然人に乗っとられた人間を助けることは出来ない。
それに自然人に乗っとられた人間の家族や友人を少なからず悲しませてしまう。
自然人が地球に出現してから人間は激減した。
科学力も著しく落ち、例え自然人を全て倒すことが出来たとしても、もう全盛期の科学力を取り戻すことは出来ないだろう。
俺は、また人間同士幸せに暮らす為にこの活動をしている。
どうしてもこの願いを叶えたかった。
こんな思いに悶えていると、さっきまで涙を流していた少年が言った。
「僕は……泣いてる人を見たくない……。僕はあの化け物の事はわからないけど、きっと悪い奴なんだよね……。父さんを殺した、あいつを許せない……」
また一息おいて言った。
「あいつみたいな化け物はきっとまだたくさんいるんだよね?もう誰も泣かないように。僕もあいつらを倒したい……!」
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