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"あいつみたいな化け物はきっとまだたくさんいるんだよね?もう誰も泣かないように。僕もあいつらを倒したい……!"
俺は驚いた。
まだ幼い少年がこんな事を言ったのだ。
今までも家族や身内が自然人に乗っとられてしまった人達はたくさん見てきた。
しかし、ほとんどの人達はもう自然人など見たくないと言い、すぐに自然人からは見つかりにくい、隠れ住む場所を求めて行った。
それなのにこの少年は、
「自然人を倒したい」
と、言ったのだ。
それも生半可な気持ちなんかではないということはすぐに分かった。
とても6~7歳程度の子供とは思えない、強く決意した、冷静な怒りがこもった目だったからだ。
俺は、心打たれ、胸が震えた。
こんな幼い少年でも強い気持ちがあるのだから。
「僕を仲間にしてください……!」
唐突に少年が言った。俺の目をじっと見つめて。
そして俺は何も考えずに答えてしまった――
何故、あの時、俺はまだ幼い少年にあんな事を言ったのかは分からない。
これは考えるとかどうこうより、直感的に言ってしまったのだろう。
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