全ての始まり

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それは突然だった-- 俺たち家族は「何か」に襲われた。 何に襲われたのかはその時はまだわからなかった。 人間の様にも見えたが違った。 ただ化け物としか言いようがない。 そんな感じのモノに襲われたのだ。 身体は透けていて青く、まるで液体で出来ているような……不思議な生き物だった。 「そいつ」は突然家に入って来て、俺達家族を襲い始めた。 だけど「そいつ」の動きは遅く、まだ幼かった俺でも逃げることが出来た。 しかし、初めに母さんや俺や妹を外に逃がそうした父さんが「そいつ」に攻撃され、動かなくなった。 その時の俺は死んだなんてとは到底思うはずもなく。必死に逃げていたと思う。 すると「そいつ」は動かなくなってしまった父さんの体の上に立ち、すぐに消えてしまった。 ここからはよく覚えているのだが、動かなくなっていた父さんが突然立ち上がったのだ。 俺は「そいつ」がいなくなって、父さんも大丈夫だったという安心感からか、抱かれていた母さんの腕を振り払い、父さんの元へと走った。 しかし何故か母さんは 「エクラドッーー!!」 と俺の名前を必死に、悲鳴に近いような声で叫んでいた。 そして俺は今にも父さんの胸に飛びつこうとした時、直感した--image=405136149.jpg
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