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昔、俺は自然人の出現反応を人間が「隠れ住む」街からは少し離れた場所から感知し、その現場へと一人で向かった。
今まで任務は複数人で行っていたが、腕を認められ一人で任務に就くことになった。
急ピッチで現場に着くと森の入り口に小さな家があった。
見ると、玄関は豪快に壊されており、外に一人の女性と、まだ小さな少女が……恐らく親子だろう、何かに怯えるかのように寄り添い、地面に座り込み、動けなくなっていた。
二人は家の中の方向を見つめていた。
俺も家へと目を移すと木造の床が深くのめり込んでしまっているのが分かった。
よく目を凝らすと家の中に「少年」が床に手をつき倒れこんでいた。
「少年」は見上げるように一人の男を見つめていた。
すると、その男はゆっくりと腕を振り上げた。
「少年」をただじっと見ている。
俺はまさかと思い、急いでその家族の元へと走った。
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