The Nature

全ての始まり

俺の挑発に「少年」の父親を乗っ取った自然人はこちらを鋭い目で睨んできた。

その自然人は僅かにほとばしる青いオーラを揺らめきさせながら、ゆっくりと体の向きを変えた。

自然人も一応感情はあるらしく 、挑発すると簡単に怒り突っ込んでくる。

これはいつも同じパターンだ。

例によって真っすぐ俺に向かって来た自然人。

俺はすでに分かりきった動きをかわすことに難しさを感じることはなかった。

攻撃を避け、反対側に素早く回り込み、俺は「少年」に背を向けたまま前に立ち、苦しくも呟くように告げた。

「お前の父さんはもうこの世にはいない」

……と。