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「一つ聞いていいか?」
自分でもなぜだかわからなかったが自然と質問してしまった。
「なんだ?渡す気になったか?」
「お前が欲しがっているのは天空の聖典か?」
「ほう、一般人のくせによく知っているな。いかにも、我ら黒十字教団はその天空の聖典を探していたが。」
今までになくしゃべる。
「魔力を持たない一般人が持っていても宝の持ちぐされなんだから渡せと言っているんだよ。」
わかるか?と付け足しそれ以上は言うことなどないとでも言うように締めた。
「そんな怪しい団体には何一つやれないな。ましてや突然攻撃してくるような奴には尚更な。」
俺は真正面から女を見据えた。その姿はまるで死んでも渡さんとでも言うかのようである。
「飽くまでも渡さんのだな?」
「死んでも渡すか!」
「なら………死んでこの世に残して逝け。」
瞬間、女のまわりに五つほどの光弾が展開した。
まるでさっきまでの攻撃は本気ではなかったように。
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