骨_1

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小田隆弘のからだには、幼少時からさまざまな異常がみられた。 たとえば、それは頭髪。 ある日には、黒人の子供もかくやと思わせるばかりにチリチリに色あせ、ほそい毛足が鳥の巣のように絡みあう、爆発したアフロのような頭をしていた。 しかしまたある日には、つややかに黒光りする、毛根の太いボリュームのある巻毛の、まるで少女マンガの登場人物のような‥そう、女の子のような髪型をしていた。 親や周囲の人間は、だれも彼の頭髪をいじるようなことはしていない。 それゆえ、そのことはたいへん不審な出来事だった。 人為的なものでなければその変異のバリエーションは、隆弘の生得の体質によるもの、ということになるのだが‥そんなことは、誰もおもい及びもしないことだった。 このことがあったのは、彼が幼稚園児の頃だが‥そのことは、隆弘にとって、あまりおもいおこしたくない記憶に類する。 いま現在の彼の髪は‥若白髪がいくらかまじる以外に、とくにおかしなところはない。   >>
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