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次の日の昼は、沢井は早めに公園に行った。
もしかするとまた、彼女に会えるかもしれないという期待に胸を膨らませていた。
若い子と、どういう会話をしたら、受けがいいか等と考えていたが、その日は女は現れなかった。
さらに次の日。
少し風が強かったが、ベンチに座って弁当を食べ終わった頃に、女性がアンジェリーナと共に登場した。
「この間はどうも」
相変わらずかわいい笑みで、しゃべりかけて来た。
その日は、いろいろと話しをすることが出来た。
彼女の名は、松星千央、21歳。
現在彼氏ナシ。
父親と二人暮らしらしい。
バイトがあるので、週2回の平日の休みしか、公園には来れないと言っていた。
沢井はそれから、彼女の現れる、週2回の公園での昼食が楽しみになった。
出会って1ヶ月。
沢井は、まんをきして、千央に、今度食事に行こうと誘った。
彼女は屈託の無いいつものニコニコ顔で
「いいですよ。
何処に連れていってくれるんですか」
と彼の腕を掴んで来た。
「場所は、まだ決めてないけど、俺も家庭持ちのサラリーマンだし、余り期待しないでね」
沢井は喜びを露骨に出さないように、気軽な口調で言った。
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