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「よっ。慎夜。」
クラスに入ってきた慎夜に声をかけたのはクラスメートで同い年の帷子要(かたびら かなめ)。慎夜より5ヶ月さきにこの世界にやってきたので本当は先輩だ。《あの世》に来たばかりの時かなり世話になった。とにかく優しく、頼りになる。今はこんなヤツでも生きていた時は警察にお世話になった事があったらしく少年院にいた時があったみたいだ。今の要からは想像がつかない。
「おはよう。」
要にあいさつをして慎夜は自分の席へ向かった。要は笑顔で慎夜より先に慎夜の席に座った。
「お前の席はあっちだろ。」
「今日って新入生が来るんだったよな?」
「俺の話は無視かよ…」
「女子かな~♪女子がいいな♪」
こんなヤツはほったらかしとこう。
ガラガラッ
「はい。席に着いてぇ。」
担任教師の松原真理子(まつばら まりこ)が教室に入ってきた。
黒板の前にある教卓に向かうと松原の後ろには先ほど慎夜があった少年がいた。
「ちぇ。男かよ…」
この声はきっと要だ…。
「今日から一緒に生活する事になった紅炎磨(くれない えんま)君です。」
「紅炎磨です。よろしく。」
年はたぶん俺と同じくらい。
「じゃあ、紅君。君は成瀬君の隣の席です。」
「はーい。」
紅は席の方へ向かった。
座った時に慎夜は紅にあいさつをした。
「成瀬慎夜です。よろしく。」
「お主、確か先ほどあった者だね。その節では大変助かった有り難う。」
「いや、たいしたことじゃないよ。」
慎夜は顔を前に戻した。
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