もう1つの《地獄》

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もう1つの《地獄》

「ハァ、ハァ。」 なぜ、なぜ俺はこんな目にあってるんだ!! 自分が何かした覚えはない。ただ、俺は今“アイツ”に追われている。捕まったら殺される。 転がっていた空き缶に躓いて顔から転んだ。 鼻血が出てきた。だけど今はそんな事はどうでもいい。 すぐに立ち上がり走った。服で血を拭いとにかく走った。 “アイツ”から逃げたくて角がある度に右へ左へと曲がった。 だがそれ命取りになったかもしれない。 「くそ!!行き止まりだ!!」 振り返ったら100m先くらいに“アイツ”が立っていた。右手に果物包丁を持って“アイツ”はゆっくりこっちに向かって歩いてきた。 「や、止めろ!!俺が何をしたっていうんだ!!」 俺は強く目を閉じた。
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