君との不毛な関係。

3/5
前へ
/8ページ
次へ
【たった一つの約束も無い。】  想いはいつだって一方通行で、そんなの、自分が一番よくわかってる。  恋人の前提が犬、なのだから、僕から彼に何か言うことなんて滅多にない。  ていうかお願いしてみても、聞いてくれる可能性なんて、一割有れば良い方だ。  そんな彼との関係なのだから、約束事などと言う甘いものが在るはずも無く。  ここに在るのは唯、決まり事と命令に緩く縛られた日々と、彼の気まぐれに振り回される僕だけだった。  それをわかって居ながら、目先の幸福に縋る僕。滑稽だと、自分で思う。  少しだけで良いから、僕に執着してくれはしないだろうか。  気まぐれでも良いから、僕と同じ世界を見てくれはしないだろうか。  きっとそんなことは無理だと、わかって居ながらも、密かに願った。  一度で良い。君と、同じ世界が見たい。 _
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加