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オッサンは持ってきた黒い球体をテーブルの上に置いた
「あと一つ、まあ公開処刑場といっても過去の話だ、脅かしてすまないな」
「「へ!?」」
さっきとは打って変わって、オッサンは穏やかな口調でいった
だけどこのギャップが身に染みる
「ど、どういうことですか!?」
「ん?ああ、去年政府から方針転換の連絡があってな、処刑所というより闘技場に近い運営体制を敷くことになった」
深いため息をついた
幸せが逃げる?知るかよ、しばらくは生きながらえられる可能性ができたんだから、それで十分幸せだ
「んな…脅かさないで下さいよ!こっちは死ぬ覚悟してまで回答してるんですから!!」
「そーですよ!私なんて翔のかっこいい決断に少しときめいちゃったんですか――――あ」
今なんと!?
驚いていないフリをして横目でチラッと左にいる愛奈を見ると、顔が真っ赤になってた
…ホントにかわいいな、この子
「ただしお前ら、私が騒ぎを嫌いなのは本当だということは覚えておくといい。それに加えて、比較的短気だぞ?」
そうポケットに右手を突っ込みながら言った
つまりはこれ以上私の前でイチャつくな、ぶっ放すぞ。と言いたいのですか…
「話を進める。それでだ、お前ら二人に剣闘士として戦っていく上でそいつは大事なモノになる」
そう言って俺らの前にある黒い球体を指差した
これが大事なモノ…なのかな?
「それを右手で掴め。話はそれからだ」
恐る恐る右手を伸ばし、それに触れた瞬間
爪先から脳天まで衝撃が走った
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