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―――時計を確認すると17時を回っていた
そろそろやめにして、準備を始めた方がよさそうだ
「そろそろこれも終わりにし――」
「まだ!私が一度も利益が出てないよー!!」
…愛奈は言う通り、何十回もゲームを重ねて一度も収益がプラスにならなかった
だって…ねぇ?あんなにことごとく大損失のマス踏むだなんて俺も思ってはいなかったぜ…
「翔だけ勝ち逃げとかズルいよー!今回も採掘王になってるじゃんかー!!」
そう、今回のゲームでも採掘王のマスを踏んでぼろ儲けした
別に何をしたわけではないけどマイナスマスをあまり踏まなかったな
要は運の差だろう
昔はどのゲームやってもレアアイテム入手には困らなかったしねぇ
「うわーん!超くやしいー!!」
腕をバタバタさせてソファにやつあたりする愛奈
かわいいから許してあげたいけど…
俺、ハウスダスト苦手なんだよ…埃出さないでほしんだよな
「もう知らない!翔は一生鶴嘴握って生活してればいいじゃん!!」
鶴嘴?
ああ、採掘王だからね…鶴嘴片手にこれから人生ゲームやって、ご飯食べて、今夜みたいに戦って…
戦う?鶴嘴で…?
!?
その発想はなかった!
「その手があったか!!!サンキュー愛奈!!」
「へ?ちょちょちょちょっと!?」
気づいた時には両手で愛奈の肩を揺さぶっていた
そしていつの間にか部屋に入ってきた男二人が、グラサン越しに白い目線を俺に向けていた
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