戦い続ける者

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寒気 目の前で起こっていることに目を疑った ―――俺は何を見ているんだ…? 愛奈はどう見ても震えてて、顔色も悪くて、戦えるような状態ではなかった 間違っても戦闘に自分から手を出すことはなかっただろうに… その愛奈がなんで2機も同時にぶった切ってるんだ!? 愛奈は崩れ去ったロボット2機を前に顔を上げた 「…き、きもちぃぃぃ!!!」 ―――!? ちょ、ちょっと何をおっしゃっているのですか、愛奈ちゃん!? 愛奈は一呼吸おいてからこっちに振り向いた なんか素晴らしくいい笑顔でこっちを見ているんですけど… ただその笑顔が今、一瞬歪んだ気がする 「あ、翔危ない!」 「へ?」 振り向くとロボットの1機が盾を乗り越え、俺を切りつけようとして来ていた 「うわっ!」 盾を変形させて、ロボットの体勢を崩させる 前のめりになったところに体を入れて、懐に入って鉈をうまく回避したところで、鶴嘴を創り直して一閃した 「あ、危ねぇ…寿命が縮んだわぁ…」 ロボットはむなしく崩れ去る あー、心臓がすごくバクバクしてる。次はこんなきわどい状況はごめんだぜ… 「…それで、愛奈はいけるか?」 「うん、大丈夫だよ!」 「じゃあ、なんで震えてたんだよ!?無茶苦茶心配してたんだからな?」 あんなに震えてて、普通戦える状態だなんて思う輩が果たしているのだろうか? 少なくとも俺はかなり心配した 「んー、武者震い?」 ハァ…心配して損した
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