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鎖を上下に振って、刺さった鶴嘴を手元に戻す
それを掴み、残りの二機に目を向けると、左右から俺を挟んで切りかかっていた
「やばっ」
俺はF.O.C.を俺の周りに展開し、球状に創り直すとそこに斬撃がくる
ギャン、と刃物がぶつかる音は聞こえるが、それ以上はない
刃がF.O.C.を貫通するわけでもなければ、傷一つなかった
さっきの盾の時と同じ。おそらくF.O.C.の性質で“F.O.C.をどんなに薄くしても強度が変わらない”のだと俺は解釈した
だったら防御の時に盾とか一面しか守れない物を使うのではなく、今みたいな全面を防ぐことのできるバリア状のやつの方がいい
「【姫鶴二十文字】!」
そしてバリアを解除してすぐに創り直す
そして鶴嘴を右に振り、そのまま遠心力で二回りほどすると、二機ともぶつ切りになっていた
さっきからこれも物理的におかしい
F.O.C.がどんなもので出来ているかはわからないけど、なんでもかんでも両断できるこの斬れ味もF.O.C.の性質なのだろうか?
確かに愛奈もぶった切ってるし、そう解釈して差し支えないだろう
あ、そうだ愛奈は…?
さっきまで愛奈がいた辺りを見ても愛奈はいない
―――どこ行ったんだ?
辺りをさらに見渡していくと本来ならそこにいたはずのロボット達が、見事に両断されて崩れている
そしてそのスクラップの山の中央に満面の笑みを浮かべる愛奈が立っていた
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