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中は12畳ぐらいの部屋
三人掛けのソファが一つ、テーブルを挟んで一人掛けのソファが一つ
その奥にはいわゆる社長デスクと社長イスが一組あり、黒いスーツを着た小柄なオッサンが鎮座していた
そのオッサンから指示があり、その三人掛けのソファに腰かけた
この部屋、何よりもタバコ臭い
いや、タバコとは違う独特のキツイ匂いが鼻につく
そのせいか、この部屋は実際よりも狭く感じる
俺らが座ったのを見て、オッサンは反対側のソファに腰かけた
そして俺らをここへ送ってきた看守二人はここで部屋から出て行った
オッサンは葉巻とマッチを取り出し、一息入れる
この間、俺ら二人は沈黙する
“させられていた”って言うとオーバーだろうけど、そんな雰囲気を醸し出していた
「さて、お前たち二人を呼び出したのは他でもない、この私だ」
何だ、このテンプレ展開…
そしてこのオッサン、ものすごくいい声してる
「私はここ、ネオコロッセウムの管理局長の篠崎だ」
「…九十九です」
「かかかかか加藤ですっ!」
ありゃりゃ、この子緊張しちゃってる
苦手なタイプなのかな?
…だけどかわいい
「とりあえず気を楽にしてくれ、こちらも話しづらい」
気を楽にって言われても、こんなヤクザみたいな見た目のオッサンと対談してるのに、どうすれば楽にできるのだろうか
少し身構えない方がおかしい
「ともかく本題だ」
ゴクリ、と唾をのむ
俺らはこれから東京湾に沈められるんじゃないよな…
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