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――――え…?
マーティーが倒れたと思ったら、夏美も血反吐を吐いてその場に倒れこんだ
ど、どうしたんだよ…おい!?
とりあえず、うつ伏せに倒れた二人を仰向けにする
特に肩を撃たれてるマーティーは慎重に…
その隣で愛奈は夏美の体を起こす
夏美の胸に自分の耳を当てていた
妙に手際がいいな…
…そうだった
愛奈は医者の卵だったんだっけ
「愛奈!何とかなんないの!?」
二人を助けたい、その一心で愛奈に聞いた
「…なっちゃんは一応大丈夫そう。脈は速いけど心音は安定してる。すぐに目を覚ますと思うよ」
「……でもマーティーはちょっとマズイ。早く弾抜いて止血しないとそのままじゃ出血多量で死んじゃう…!」
―――!!
肩を押さえながらマーティーは息を荒げて苦しそうな顔をしている
医師免許があろうとなかろうと愛奈は医者としての知識を心得ているんだ
安全な場所で治療させないと…
―――――そのためには…
俺は立ち上がった
姫鶴二十文字を握り直し、顔を上げる
その先には葉巻を道に投げ捨て、懐からF.O.C.を取り出す局長
「あんたを倒さないといけないみたいだな…」
―――さっき、マーティーが倒れ際に俺に語りかけてきていた
親父の相手は任せた。…協力できなくて悪いがそいつを何とかしてくれ、と
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