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「ここは”公開処刑所”だ」
「「!?」」
思わず愛奈と顔を見合わせてしまった
さすがの愛奈でも顔が青ざめている
「ビックリしたか?」
「つまり、俺らはここへ処刑されに護送されたってことじゃないですか!」
「そーですよ!」
オッサンはため息をついた
右手をポケットに突っ込み、黒光りする拳銃らしき物を取り出し、俺らに向ける
「お前ら少し騒ぎ過ぎだ」
しかもコルトパイソンときた…
そんなもの向けられたら静かにするしかないじゃないか
「でだ、剣闘士になるか、ならないか。お前らの回答次第でこいつをぶっ放さなきゃならないわけだ。どうする?」
どうするもこうするも、完全な脅迫じゃないか…!
つまり剣闘士になって死ぬか、今ここで死ぬか選べってことかよ…
「わかりました…やります!」
「え?」
予想外だったのだろうか、愛奈は声を上げた
どうせ死ぬなら戦って存分に抗ってやる、っていうのが俺の回答だ
「……私は――――――やってやりますよ」
「そうか、わかった」
オッサンはパイソンをしまい、席を立った
さっきまでいた社長デスクに行ったと思ったら、右下から何やらピピピとセキュリティのシステム音みたいなのが聞こえ、ガチャンと扉が開く音が聞こえた
そこから何かを取り出し、また俺らのいるテーブルへ戻ってくる
オッサンは両手に二つの物体を持っていた
黒い球体だった
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