プロローグ

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高校を卒業するともう大人なんだ。 ずっと大人に言われてきたことだ。 果たして自分は大人になれるんだろうか。 悠太は高校に入学してからそんなことを思ってきた。 それはきっと、何もかも準備をされてきたからだと思う。 家に帰ればごはんがある。 学校に行けば先生が来て授業をしてくれる。 宿題やテストだって課されるし、部活だって学校が主催する部活紹介というイベントで情報を与えてくれる。 何もしなくても準備がなされて、与えられる。 苦労したり面倒な思いをしたりすることもない。 でも、これじゃダメな気がする。 そんな思いを悠太は抱いてきた。 でも、高校を卒業する今、ちょっと自分が思っていた大人に近付いた気がしている。 それは、サッカー部のおかげだし、もっと言えばあの顧問のおかげなのかもしれない。 変な顧問だった。 でも、確実に自分を、いや、自分たちを成長させてくれた。 ここで学んだことを胸に今一歩を歩み出す
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